『建造物記念日003~東京タワー』
「還暦」を迎えた東京タワー
東京タワーは本日、「還暦」を迎えました。
1958年12月23日に竣工してから60年、主役の座を東京スカイツリーに明け渡した感もありますが、今でも東京のシンボルであることには変わりありません。
芝公園内に建てられたこのオレンジ色の鉄塔の正式名称は「日本電波塔」で、高さは333m、東京スカイツリーの半分ほどですが、竣工当時は周囲に高い建物も無く、威容を誇っていました。虎ノ門ヒルズなど高層ビルが林立してきた現在、趣をやや異にしていますが、それでもなお、首都高速道路都心環状線から、特に黄昏時にライトアップが始まる頃に見る東京タワーの美しさにはハッとすることがあります。
著名な照明デザイナー石井幹子(いしいもとこ)さんがライトアップを手がけるようになったのは平成元年(1989年)1月9日です。60年のうちの後半30年は、ライトアップされて過ごしたことになります。それまでは、輪郭だけが点灯されていたのですね。
276台のライトで構成されたライトアップには暖色の冬バージョンと寒色の夏バージョンがあります。土曜日の夜8時から10時までは「ダイヤモンドヴェール」という特別なバージョンが演出され、17段の光の階層それぞれが七色に変化します。ご存知でしたか?他にも特別にメッセージ性のあるものや、ニュース性のあるバージョンも時折設定されるようです。そういえば、東京オリンピック2020が決定したときは、「2020」のメッセージも出ていましたね。
かつては足元に「マダム・タッソー蝋人形館」(1970~2013年) や「東京タワー水族館」(1978~2018年) もありましたが、いずれも閉館してしまいました(ちなみに、お台場に「マダム・タッソー東京」が2013年にオープンしています。)。しかし、東京タワーは、今後も東京スカイツリーのバックアップとしての重要な役割を果たしつつ、都心の景観にアクセントをつける存在であり続けることと思います。
高さ150mの大展望台は、「メインデッキ」と名称を変え、現在一部のリニューアル工事を行っています。高さ250mの特別展望台は、2018年3月3日から「トップデッキ」と名称を変更し、新アトラクション「トップデッキツアー」をスタートしました。東京スカイツリーとはまた異なる都心の真っただ中から見る風景を楽しむことができます。
東京タワーの公式サイトによれば、土・日・祝日に限りメインデッキへの600段の「昇り階段」を開放している(入場料は通常通り必要)とのことで、階段の途中には、ゆるキャラ「ノッポン兄弟」からのクイズもあるそうです。「ノッポン公認 昇り階段認定証」ももらえるそうで、運動不足の方など、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか?