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2018.12.18

『東京探索024』日本橋エリア⑧ 「日本橋再生計画」は次のステージへ

『東京探索024』日本橋エリア⑧

「日本橋再生計画」は次のステージへ

これまで探索してきたように、日本橋地区は東京の業務集積地として位置づけを高めてきており、八重洲・京橋と合わせて「日八京」(にちはちきょう)と呼ぶ人もいます。もともと日本橋エリアは、老舗や豪商を輩出し、金座の跡地に日本銀行ができ、兜河岸だった付近に東京証券取引所ができて商業・金融の中心地だったエリアです。しかし、次第に大型開発が進んでオフィス床の供給も増えてくると、歴史や文化の香りも持つ一味違ったオフィス集積ができてきて、既にステイタスも高く、就業者の満足度も高いエリアになっていると推察します。実際、ランチのお店を探すときの選択肢は広いのではないでしょうか?

エリアマネジメントの面でも、三井不動産などが相当力を入れていて、昔ながらの「橋洗い」などのイベントを含めて、日本橋ならではの街興しが進められています。東京駅八重洲口から室町周辺を循環する無料バス「メトロリンク日本橋ECO」が飲食店の使用済みの天ぷら油を燃料として一部利用しながら走っていたり、あるいは、20114月に完成した日本橋たもとの船着場を利用して、「隅田川流域舟運観光連絡会」が東京をめぐる水の道を水上交通で紹介したりしています。

一方、依然として「日本橋」が抱える最大の課題は、この文化財の上空を覆っている首都高速道路の地下化です。これは1964年の東京オリンピックのレガシーですが、地下化の話は1990年代から議論されてきており、2020年東京オリンピック・パラリンピックには間に合いそうもありませんが、それ以降、いよいよ事業化されそうな見込みです。

「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業 A地区」の「日本橋室町三井タワー」には、商業施設「COREDO室町テラス」が2019年秋にグランドオープンすることが決定し、メインテナントとして、当ブログの台湾シリーズでもご紹介した「誠品生活」が日本初進出するようです。最先端のオフィス空間のほかにホール&カンファレンス機能や商業施設も充実しそうです。正面の広場にかかる大屋根もすでに姿を現しており、日本橋エリアの魅力のさらなる向上が期待できます。

さらに、日本橋の南側一帯の「日本橋一丁目再開発」、東京駅八重洲口正面の八重洲一丁目東地区、八重洲二丁目北地区、八重洲二丁目中地区などこれからも開発が目白押しです。福徳神社などの観光資源、世界遺産和食を支える出汁や包丁の専門店、多くの老舗銘店が並ぶ日本橋は、インバウンド対応の大きな拠点ともなるでしょう。日本橋が青空を取り戻すとき、新たな景色が見えてくるのではないでしょうか?

(日本橋シリーズ おわり)

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