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2019.07.09

『アジア探索046~ソウル編⑦』ソウル駅を望む高架の歩行者道「ソウル路7017」

『アジア探索046~ソウル編⑦』

ソウル駅を望む高架の歩行者空間「ソウル路7017

ソウル広場から南へ2kmほど、南大門のすぐ南にソウル駅があります。ガラス張りの新駅舎は2003年に完成したもので、ソウルとプサンを結ぶ京釜(キョンブ)本線をはじめとした、韓国鉄道公社(KORAIL)のターミナル駅です。旧ソウル駅は赤レンガの壁とドーム形の屋根が東京駅さながらですが、それもそのはず、日本統治時代にできたもので、設計者は辰野金吾に学んだ塚本靖と言われています。この建物は、ソウル駅の歴史などの展示を中心とする複合文化空間「文化駅ソウル284」として保存再生されています。

その旧ソウル駅を見下ろせる場所に、「ソウル路7017」と呼ばれる新しい名所があります。1970年に建設された自動車専用の高架道路が、2017年、1,024mの歩行者専用の空間に変貌したものです。世界でいま、「歩行者にやさしい都市化(Walkable Urbanism)」が標榜されていますが、パク・ウォンスン市長も「新しい都市ブランド」確立の一環として、「ウォーカブルな都市、ソウル」に力を注ぎ、その第一歩として実践したのがこのプロジェクトです。

ソウル駅は、一日平均39万人が利用するソウル市の玄関口ですが、その周辺は交通量の多い道路に囲まれ、孤立して、光化門や龍山などのエリアに比べて開発が遅れていました。しかし、「ソウル路7017」によって、この地域は崇礼門、漢陽都城、明洞、南大門市場など近隣の観光スポットとつながり、活性化への道を歩み始めたようです。

確かに、以前このあたりを通ったときには、町は雑然としていたような記憶がありますが、この歩行者デッキによって、周辺の各地区が結び付けられました。「ソウル路7017」というネーミングには、1970年に建設された高架道路が2017年に生まれ変わるという意味のほか、新しくつながる17の連結路、高さ17mの高架という意味が込められているそうです。

屋外の歩行者デッキなのに、なぜかピアノが置いてあり、小さな女の子が弾いていました。雨ざらしで大丈夫なのでしょうか?

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