今回は、「建造物記念日」の第4弾、東京湾を横切るレインボーブリッジのお話です。
芝浦埠頭とお台場・臨海副都心を結ぶこのユニークで美しい橋は、1993年8月26日に開通しました。正式には「東京港連絡橋」という二層構造の吊り橋で、長さ798m、主塔の高さ126m、橋の高さ52m(両方とも海抜)、最大スパン570mを誇ります。芝浦埠頭側の一般道路から吊り橋部の下層階にアクセスする部分は、勾配の関係でループ状に一周する構造になっています。自動車では、上層階の高速道路または下層階の一般道路を使用してレインボーブリッジを渡ることができるほか、下層階の中央を走る AGT(無人運転の軌道交通)「ゆりかもめ」を利用して橋を渡ることもできます。ゆりかもめもやはり、ループ状に一周します。
歩いて橋を渡ることもできます。JR田町駅から徒歩20分、ゆりかもめの芝浦埠頭駅からは徒歩6分で遊歩道の入口となる構造物「芝浦アンカレイジ」があり、そこからエレベーターで橋桁上部に着くことができます。一般道路とゆりかもめが並行して走る下層階の両側に遊歩道「北ルート」と「南ルート」があり、東京港のダイナミックなパノラマが楽しめます。
レインボーブリッジができるまで、東京都心から千葉方面に車で行く場合は首都高速道路7号線経由で京葉道路に入るか、同9号線経由で首都高速湾岸線~東関東自動車道を通るしかなく、ともに6号線を経由するため、箱崎ジャンクション周辺が渋滞頻発ポイントとなっていました。しかし、レインボーブリッジの開通により、首都高速内環状線の浜崎橋ジャンクションから分岐して11号線経由で湾岸線に入れるようになり、千葉方面への交通時間が大幅に短縮され、箱崎ジャンクションの渋滞も緩和されました。
「マリナー・オブ・ザ・シーズ」が、2017年4月に東京に来ましたが、東京港開港50周年にあたる1991年に完成した晴海客船ターミナルではなく、大井埠頭に寄港しました。高さ63mのこの豪華客船が、レインボーブリッジをくぐれなかったためです。レインボーブリッジは、当時豪華客船の象徴と言われていたクイーン・エリザベス2の高さ52mを想定して設計されていたのです。羽田空港の航空制限もあり、これ以上高くできなかったのですね。
それにしても、品川・芝浦方面からレインボーブリッジ越しに、お台場や、羽田から行き交う飛行機を眺める景色、特に夜景は、何度見てもいいものですね。