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2019.08.06

『アジア探索050~ソウル編⑪』北村の伝統家屋「韓屋」

『アジア探索050~ソウル編⑪』

北村の伝統家屋「韓屋」

再び、漢陽都城の内側に戻ります。朝鮮王朝の時代に清渓川(チョンゲチョン)の北側が北村(プッチョン)と呼ばれ、宮廷に勤める役人や商人たちが住んでいたことはソウル編④でご紹介したとおりです。

彼らは、韓屋(ハノク)という伝統的な建築様式を使用した家屋に住んでいました。台所のかまどで煮炊きしたときに発生する煙を居室の床下を通して排気することができる構造を持っており、寒い冬はこの「オンドル」という仕組みで床を暖めてすごし、夏は板の間の下を風が通り、涼しく過ごすことができます。

韓屋は風水の「背山臨水」の原則に従って建てられるそうですが、北村は、まさに北に北岳山を背負い、南に清渓川を望む傾斜地という立地にあり、風の道のような概念もすでに考慮されていたようです。朝鮮王朝の時代には比較的大きな韓屋もあったようですが、近代に住宅難解消のために分割されたなどの結果、現在も残って使用されている韓屋の多くは小規模なもののようです。北村文化センターに、住民が使用していた近代史の遺物などが実際の韓屋住居に集めて展示されています。景福宮、三清公園付近には、韓屋を改造して作ったカフェ、レストランなどもありました。

1990年代、人口増とともに北村地区の西側にあたる景福宮周辺の建物の制限が緩和され、5階建てまで建てられるようになったことから、多くの韓屋が消えてしまったようですが、住民主体の「社団法人鍾路北村まちづくりの会」が発足し、専門家、行政を交えた議論が展開されたとのこと。その後、李明博(イ・ミョンバク)元市長が重点事業として2006年、北村を歴史文化ベルトにする「北村長期発展構想」を発表しました。2011年にはミシュランガイドにおいて、三つ星観光地に認定されています。

韓国版民泊で、韓屋ステイもできるそうです。皆さんも、オンドルの遠赤外線を経験してみてはいかがでしょう?

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