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2017.10.05

『アジア探索003~上海③』外灘(ワイタン=Bund)近代建築群のリノベーションと道路の地下化

『アジア探索003~上海編③』

外灘(ワイタン=Bund)近代建築群のリノベーションと道路の地下化

フランスの有名な詩人、モーパッサンがエッフェル塔1階のレストランにしばしば行く理由を尋ねられ、「ここがエッフェル塔を見なくてもよいパリで唯一の場所だからさ。」と答えたというエピソードがあります。

上海で夜景を見るならどこかと聞かれたら、私なら外灘3号か外灘5号の屋上レストランをお勧めします。もちろん、金茂大厦、環球中心、上海中心の高層階にも展望室やホテルのラウンジなどはありますが、そこからの景色は上海を代表するこれらの高層ビル群を見ることができないのでお勧めできません。対岸から見る3棟のタワー、それを囲む150メートル前後の高層ビル群が織り成すスカイラインは秀逸です。黄昏どきからテラス席のよい場所に陣取って、ビルのライトアップやイルミネーションが次々に点灯されていくのを眺めていると、世界第一級の空間に身を置いている実感が沸いてきます。

主観ですが、超高層の上部からの眺めは、地上が遠すぎて人や車の動きも見えないのであまり好きではありません。街を見るのには、20m~30mぐらいの高さが最も適しているのではないでしょうか。外灘3号か外灘5号のレストランの屋上テラスに立つと、黄浦江をゆったりと行きかうクルーズ船たちの向こうに、それぞれに自己主張しているかのようなビル群を見ることができます。また、北面に近づくと、湾曲した道路に沿って並ぶ和平飯店や外灘の銀行群、ガーデンブリッジ、ブロードウェイマンションなども見ることができます。

外灘(Bund)の近代建築群の前面道路は、中山東一路という上海の環状道路の一つで、交通量もかなりあります。以前はこの通りが、川沿いの一段高いところにある遊歩道と市街地とを分断していましたが、2010年に本線部分を地下化する工事が完了し、地上の歩道が拡げられ、横断もしやすくなりました。また、地下の本線を通過する車両の旅行速度も格段に速くなっています。

外灘のビル群はそれぞれにリノベーションされ、いくつかのビルは、レストラン、ギャラリー、ブランドショップ等になっていますが、その外観はよく保全されており、「古きよき上海」の面影をいつまでも残しています。

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