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2019.10.29

『東京探索046』上野エリア⑨ 上野の桜

『東京探索046』上野エリア⑨
上野の桜

上野といえば言わずと知れた桜の名所で、お花見の季節になると毎年のようにテレビニュースで取り上げられていますが、この「上野の花見」は江戸時代からあったのです。天海大僧正は奈良・吉野の桜をこよなく愛していて、寛永寺の建設とともにわざわざ吉野山から桜を取り寄せて植樹したと伝えられています。

花見の起源については定かではありませんが、江戸後期の天保年間に刊行された「江戸名所図会」に上野の花見の様子が描かれていますが、現在の花見と大差ないようです。中国の梅見が奈良時代頃に日本に伝わり、平安時代に日本では桜を見るようになったとの説が有力なようです。

花見の対象となるのは「ソメイヨシノ」が代表的です。ソメイヨシノは、実は数本の木から接ぎ木によって増やされた「クローン」だから一斉に咲くのだ、ということはすでに日本人の常識になりつつあります。その原木の1本を上野公園で発見したという研究成果が2010(平成22)年に千葉大のチームから発表され、話題になりました。この木は、上野動物園の表門に近い「小松宮親王像」の北側にあるそうです。これらを考えると、「花見は上野公園に限る」という説にも一理ありますね。

現在上野公園にある桜の木のほとんどは、戦後の混乱期の食糧も少ない時期に、復興の象徴とする意味も込めて地元の人たちがお金を出し合い、寄付も募って1,250本を植栽したものです。

上野を探索してきましたが、いかがでしたか?渋谷や銀座とは異なる風情の中で、日本の文化を伝える施設も多く、最近では特に増えているインバウンドの旅行者たちも多く訪れているようでうす。皆さんも、上野で文化を探索し、また、何かを発見してみませんか?

(上野シリーズ おわり)

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