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2019.10.08

『東京探索043』上野エリア⑥ 西郷どんの銅像

『東京探索043』上野エリア⑥
西郷どんの銅像

上野といえば、誰もが、浴衣姿で犬を連れて散歩している西郷隆盛の銅像を思い浮かべますね。しかし、何故この場所にあるのでしょう?明治維新の三傑として有名な西郷隆盛は、間違いなく新しい時代を築いた人物でありながら、新政府では大久保利通たちとの意見の違いから袂を分かち、参議を辞職して故郷に帰ってしまいます。そして鹿児島では、不平士族たちに担ぎ出されるように西南戦争を起こし、明治政府に対する反逆者として最期を向かえたのです。
 
しかし、明治天皇や大久保利通、木戸孝允らは西郷の本当の気持ちを理解していたのです。このため、彼は逆徒として埋もれることもなく、明治維新の功績を顕彰されることになりました。上野の銅像は薩摩藩士が中心となって寄付を呼びかけ、集まった寄付金で建てられたものです。場所は、彰義隊の戦いの際に西郷隆盛が軍勢を率いて攻め込んだ場所だといわれる山王台となりました。

では、なぜ浴衣を着ているのでしょう?実は、当初は陸軍大将の姿で製作されていたのですが、西南戦争からまだそんなに時間が経っていない事もあって、いくら人望の厚かった西郷隆盛といえども、軍服姿の銅像というのは問題があるのではないか、との意見が多かったそうで、議論の末、犬を連れて野山で兎狩りをしていた時の姿に変更されたとのことです。

像の除幕式が行われた際、会場にいた妻であるお糸が、「うちの人はこげんなお人ではなかった」と取り乱したとされていますが、それは、顔が似ていなかったからではないようで、「主人は人前に出る時はきちんと正装をしていて、こんな浴衣姿で人前に出るような人ではなかった」という意味だという説もあるようです。

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