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2018.12.04

『東京探索022』日本橋エリア⑥ COREDO室町1-2-3と「福徳神社」

『東京探索022』日本橋エリア⑥

COREDO室町1-2-3と「福徳神社」

20142月、日本橋三井タワーの向かい側に、低層部に商業施設を持つ2つのビル、室町古河三井ビルディング(COREDO室町2)、室町ちばぎん三井ビルディング(COREDO室町3)が揃ってオープンし、201010月にすでにオープンしていた室町東三井ビルディング(COREDO室町1)と合わせて三部作が完成しました。COREDO(コレド)という言葉は、CORE+EDOの造語です。室町東三井ビルディングは三井不動産の旧三井第三別館を建て替えたものですが、室町古河三井ビルディング、室町ちばぎん三井ビルディングはそれぞれ複数の地権者が共同で建設したビルです。特筆すべきなのは、これら3つのビルが、所有者が異なるにもかかわらずさまざまな面で「共有」を実現していることです。

まず、COREDO室町1とCOREDO室町2は、仲通りをはさんで隣接していますが、店内の通り抜け動線は、仲通りを横断して連続するように配置されています。また、その上部の2階には、2つのビルを結ぶ連絡通路があります。地下1階では、地下鉄銀座線日本橋駅のコンコースから入り込む形で、3つのビルにつながる広場が設けられています。各ビルの地下2階にある駐車場へは、COREDO室町2にのみ入口が設けられていて、COREDO室町1、COREDO室町3へは、そこから地下車路でアクセスする形になっています。これによって地上道路の負荷を軽減するとともに、地下へ下りるスロープの空間を節約しているのですね。さらに、3つのビルは、エネルギーセンターも共有される予定とのことです。

これらのプロジェクトは、三井不動産が進めている「日本橋再生計画」の第1ステージを締めくくるもので、都市再生特別区の都市計画で定まっている「日本橋室町東地区開発計画」の一部です。201410月には、裏手に福徳神社も再建されました。福徳神社は、平安時代の貞観年間(859876年)には既にこの地に鎮座していた稲荷神社で、徳川家康も参詣したという由緒ある神社ですが、戦後の都市化の進展の中で、ビルの屋上や、居酒屋の店内に神殿を構えていた時期もあったそうです。

福徳神社の奥に連なる「福徳の森」は、実は「日本橋本町二丁目特定街区開発計画」という都市再生特別区とは異なる枠組みで進められている事業で整備されたもので、このプロジェクトによって武田薬品グローバル本社が20183月に竣工しています。これらの一連のプロジェクトは、一般財団法人都市みらい推進機構が主催し、国土交通省が後援する平成28年度土地活用モデル大賞において最高賞である「国土交通大臣賞」を受賞しました。

神社や森を含むプロジェクトが実施されたことで、敷地いっぱいに建物が並ぶ街とは異なる「余白」のようなものが確かに生まれていて、三井不動産の「日本橋再生計画」のコンセプトである『残しながら 蘇らせながら 創っていく』が体現されていることを感じます。「仲通り」は、この福徳神社への参道に見立てられていて、提灯も掲げられており、両側には江戸時代の風情を思い起こさせる小店が並んでいます。京都から舞妓さんを呼んで開催されるイベントをはじめ多くのイベントが行われて、来街者数も着実に増えているようですね。

 

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