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2018.09.11

『アジア探索027~台湾編④』信義地区の新名所「台北南山広場」

『アジア探索027~台湾編④』

信義地区の新名所「台北南山広場」

20186月、「台北101」のすぐ隣の敷地に、「台北南山広場」(地上48階・地下5階建て、延床面積192,891m²)がオープンしました。もともとは世界貿易センターの第二期として計画された街区において2012年に台北市が複合建築物を企画する事業コンペを主催し、結果としてオフィス、商業施設、文化施設の3棟からなる大規模複合施設が建設されたものです。敷地中央に位置するオフィスタワーは高さ272mと「台北101」のおよそ半分の高さですが、十分に存在感を示しています。商業施設は箱を積んだような形態で「台北101」に近い西側に、文化施設は東側に位置していて、全体の造形は連峰をイメージされているとのことです。

「台北101」では施工を、「台北南山広場」では設計を、それぞれ日本の企業が担当していますが、これは台湾人が日本企業の技術力を相当に信頼している証です。また、「台北南山広場」の商業施設に入居している飲食店を見ても、日本企業がずらりと並んでいて、台湾人が相当に「日本好き」であることが伺われます。

ちなみに、「台北南山広場」は、中国語の繁体字表記だと「臺北南山廣場」となります。「松山文創園区」は「松山文創園區」です。台湾の公用語は、戦後台湾に移った国民党により北京語(マンダリン)に統一されましたが、実際に市民が最も多く使っているのは「台湾語」と呼ばれる言語です。台湾語は福建省南部の人々が使う福建語がベースとなっていて、そこに日本語の語彙や、北京語の語彙が加わってできた台湾独自の言語だそうです。いずれにしても表記は繁体字表記で、戦前には日本でも使われていた文字も多いので、日本人にとっては、中国本土の簡体字に比べると読みやすいかもしれません。このブログでも、以後、固有名詞は繁体字表記にさせていただきます。

「臺北南山廣場」から「松山文創園區」へは北に向かって市政府を経由しても歩いて20分ほどで、このあたりが信義開発區の中心であると言ってよいでしょう。建設が止まっている「臺北ドーム」は、「松山文創園區」のすぐ南側にあります。安全基準に関する意見の対立や工事の瑕疵、地盤沈下問題などがいまだ解決に至っていませんが、政治的な背景がやや複雑なようですね。

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