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2019.11.26

『東京探索050』渋谷エリア④ 通りの名前で認識できる街

『東京探索050』渋谷エリア④

通りの名前で認識できる街

前回に関連したお話です。海外から来た知り合いが、日本の住居表示はわかりづらいと言っていました。確かに、日本以外の国では、住居表示は通りの名前と番号で表記するのが通常です。初めて行った街でも、表示された通りにさえ到達できれば、各戸に表示されている数字は右側が奇数、左側が偶数で、前に進むほど番号が増えていくという具合なので、数字を頼りに目的地にたどり着け、理にかなっています。これに対して、何丁目何番地何号という日本式の表示では、スマホのMapアプリを使わないとなかなかたどり着けませんね。

日本の街の道路には、幹線道路や商店街、特徴ある坂道を除いて、ほとんど名前がついていませんが、渋谷においては、公園通り、文化村通り、センター街(最近ではバスケットボールストリートとも呼ばれているようです。)、キャットストリートなど多くの通りに名前があります。スペイン坂のように通り抜けの楽しみがある小径にも名前があります。このように、通りの名前で認識できる街であることが、渋谷の街歩きが楽しい一つの要因になっているのだと思います。

東急グループの地盤であり続ける渋谷に、1970年代に西武百貨店や当時セゾングループであったPARCO(パルコ)が進出し、斬新なキャッチコピーやディスプレイで若者の心を捉えました。公園通り、スペイン坂などの通りの名前をつけたのはセゾングループでした。これらに対抗して東急グループも東急本店通りを文化村通りと名づけるなど、魅力アップの競争が繰り広げられました。東急グループが東急ハンズを開業すればセゾングループがロフトを創る、といった具合です。PARCO に対しては109といったところでしょうか。

このような、通りに名前をつけることによるエリアブランディングの競争とも言うべき向上への努力によって、渋谷は、増え続けているインバウンドの旅行者にとっても魅力があり、歩きやすい街になっていることは間違いありません。

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