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2020.03.10

『アジア探索054~中国大都市編③』 北京は先進的な都市になれるか?MaaSは?

『アジア探索054~中国大都市編③』

北京は先進的な都市になれるか?MaaSは?

北京の人口は2,150万人、中国第2位の人口を擁しています。自動車保有率もトップクラスで、保有台数は300万台を超えています。201712月の『東京探索番外編005―TODの系譜⑤』(東京の奇跡道路交通状況の北京との比較)でもお伝えしたとおり、北京市内の交通渋滞は慢性的で、その後2年以上が経ちましたが、状況は一挙に好転というわけにはいかないようです。

中国政府は、そんな北京市の交通状況の改善をあきらめたのでしょうか、ついに北京への過度な集中の是正に向かって動き出しました。北京にある都市機能のうち非首都機能を移転すべき先という位置づけで「雄安新区」を建設中で、そこに企業の本社などを移転させようとしています。「雄安新区」においては、公共交通ネットワークの整備とともに、自動運転による自動車のみが通行できる地下通路を検討しているようです。

中国大手IT系企業3BATの一角で、北京に本拠を置く検索サービスの百度(バイドゥ)は優秀な人材を囲い込んでAIやその周辺技術の研究をしているようですが、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)なども研究していると思います。中国ではすでにタクシーや「専車」と呼ばれる白ナンバーのハイヤーのようなものをスマホのアプリで呼び、キャッシュレス決済するのが当たり前になっているので、あとは地下鉄・バスなどを組み合わせた割引サービスなどが運用されればMaaSの一種がすぐにできてしまいます。

広大な中国、大都市間の移動は中長距離なら飛行機、300km以内の近距離なら高速鉄道という感覚ですが、二線都市から二線都市への移動などでは、飛行機と高鉄を組み合わせるのが最も効率な場合があります。経由地の選択肢も多数あり、最適の組合せを検索するのは難しいところですが、そこは中国、スマホのアプリでそのような飛行機+高鉄の最適ルートが検索できるのです。スケールの大きな一種のMaaSとも言えます。

ザハ・ハディド事務所の作品となる複合建築施設の「望京SOHO」、曲線が美しい「北京大興国際空港」など未来的な建築作品も多い北京、中央政府のお膝元で、先進的な都市へと向かう意識は高いようです。

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