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2020.02.25

『アジア探索052~中国大都市編①』「新一線都市」武漢の窮状

『アジア探索052~中国大都市編①』
「新一線都市」武漢の窮状

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、連日ニュースが流れており、皆様もさぞご心配のことと存じます。東京マラソンの参加権を得た市民ランナーも、東京オリンピックを目前に盛り上がっていたところ残念なことになりましたが、今は中国本土を含めて全世界が蔓延の終息に向けて協力すべき時です。

武漢と言えば、広大な中国のヘソに当たる位置にあり、三国志の時代から民族の栄枯盛衰を見てきた街です。今年は、その武漢から、世界を揺るがしかねない脅威が出現しました。連日報道されている武漢の病院における医療従事者の苦労ははかり知れないものですし、経済活動も停滞して日に日に不安が募る市民の窮状にも、ただただ状況の改善を祈るばかりです。

中国には661の都市があり、そのうち人口100万人以上の都市が303もあると言われています。また、都市の成長力などを評価する指標として「一線都市(ティア1)」、「二線都市(ティア2)」というような分類がよく使われています。中国の財界誌である「第一財経」20184月号によれば、一線都市は「市場としての魅力が最も高い大都市」、二線都市は「一線都市ほどの規模はないが発展の余地が大いにある魅力のある都市」と認識されているようです。

これまでの一線都市は、上海、北京、深セン、広州でしたが、「第一財経」の同記事によれば、この4都市に加えて「新一線都市」として、成都、杭州、重慶、武漢、蘇州、西安、天津、南京、鄭州、長沙、瀋陽、青島、寧波、東莞、無錫の15都市が掲げられています。いずれも基幹産業を持ち、都市GDPの上位を争ってきた都市です。

中国における統計は、集計方法等が統一されていない面があり分析が難しいのですが、人口1,000万人を超える都市は6つで、人口約1,100万人の武漢は第6位に入っているようです。ちなみに、東京都の人口は約1,395万人です。

日本にとって中国は、常に特別の意味を持ってきた隣国、大国です。今回の感染症を通じて、日本へのインバウンド旅客者の激減、サプライチェーンの麻痺による日本企業の活動停滞などの影響がいかに大きいかを目の当たりにした今、さらに中国をよく知ることが肝要ではないでしょうか?そのような意味で、緊急事態を抱えている状況ではありますが、新シリーズでは、中国の巨大都市をいくつか俯瞰してみたいと思います。

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