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2018.09.18

『アジア探索028~台湾編⑤』臺湾版新幹線で臺中へ

『アジア探索028~台湾編⑤』

臺湾版新幹線で臺中へ

臺湾には高速鉄路が走っています。これに乗って臺中に行ってみることにしました。

これは、いわゆる「臺湾版新幹線」で、計画、設計、運行システムなどについて全面的にJR東海・JR西日本が協力しており、実際に車内アナウンスでも「臺湾新幹線」と呼ばれています。車輌も「700T型」で、日本の新幹線700系の車輌とほとんど同じ外観です。20073月に正式開業、臺北市・南港駅から高雄市・左営駅までの345kmを最高時速300km、ノンストップ便では所要時間約1時間30分で結んでいます。

乗ってみると、確かに日本の新幹線と同じような感じです。板橋、新竹と各駅に停まる列車は「こだま」のような感覚でしょうか。すべての車輌に、成田エクスプレスなどと同様に、スーツケースが置ける荷物スペースがあるので便利です。近年、インバウンドの旅行者が増えていますが、日本の新幹線にもこのような荷物スペースを設置する必要性が出てきているのではないでしょうか?取りざたされているセキュリティの問題とともに、JRさんの検討課題だと思います。

駅弁があるのも日本式なのでしょうか。確か、中国本土の高速鐡路の駅には売っていなかったと思います。私が買ったものは、豚肉の排骨(パーコー)、味付け茹で卵などが無造作にご飯の上に乗っているシンプルなものでしたが、味はそこそこイケてます。日本の駅弁のような彩りや趣向はありませんが、日本人が贅沢に慣れすぎているのだと思わされました。

このように市民に親しまれている臺湾版新幹線ですが、2018818日付の日本経済新聞の記事によると、経営は必ずしも順調ではないようです。2008年の1日当たりの乗客が約24万人になると見込んで2007年に開業したのに実際は2014年度になっても乗客は13万人強にとどまったそうで、このため2014年末時点で466億臺湾ドル(約1670億円)の累積損失が発生し、政府が財政立て直しのために300億臺湾ドルの追加出資を迫られたとのことです。

中国本土では、高鉄、城際鉄道という二種類の高速鉄道が順調に営業キロ数を伸ばしており、導入当初に比べて定時性も相当向上しているようです。しかしながら、インドネシア、タイ、マレーシアなど今後の開業をめざしている新興国では、建設計画が予定より遅れたり、採算が懸念されたりしている報道をよく目にします。巨額の投資が必要なだけにそう容易ではないのでしょう。

臺北駅から臺中駅へは最速47分、通常1時間ほどで到着します。次回から、臺中市内を探訪しますので、ご期待ください!

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