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2018.03.07

『国際都市Tokyoの優位性③』東京・横浜都市圏の人口は世界第1位

『国際都市Tokyoの優位性③』

東京・横浜都市圏の人口は世界第1

今回は、「都市圏人口」と交通システムに注目します。

世界の都市圏人口については、都市圏の定義が国により異なり、①人工建造物・居住区や人口密度が連続する都市化地域 (urban area)

②通勤・通学圏や雇用圏に代表される経済圏である大都市圏 (metropolitan area)

という二種類の地域が区別され、それぞれ統計されています。

日本の国勢調査においては、前者に関しては人口密度4,000/km2以上の地域からなる人口集中地区、後者に関しては1.5%通勤圏に基づく大都市圏が設定されています。

ウェンデル・コックス南カリフォルニア大学客員教授によるDemographia World Urban Area2017年版の数値で、人口1,000万人以上の都市圏は世界に37あり、そのランキングは下記のグラフのとおりです。

東京+横浜の都市圏人口は3,790万人で世界1位となっています。ほかに日本からは、大阪-神戸-京都の都市圏が14位、名古屋都市圏が37位にランクインしています。中国からは上海、北京をはじめ6都市圏が、インドからはDelhi, Mumbaiをはじめ5都市がランクインしており、トップ37のうち24がアジアの都市圏です。

こうして並べてみても、Jakarta, Mumbai, 北京など交通渋滞で有名な都市が並んでいる中、以前もご紹介した中国における「東京の奇跡」という報道のとおり、東京の交通渋滞の減少は目を見張るものがあります。これだけ都市圏人口、言い換えれば通勤圏の人口が多い中で、東京の通勤者・通学者の86%が地下鉄・電車・バスなどの公共交通のみを利用していること(東京都市圏パーソントリップ調査 2013)により、道路の混雑度はJakarta, Mumbai, 北京などと比べると相対的には相当低くなっています。東京の電車のラッシュ時の混雑度は確かに高いですが、私鉄と地下鉄との相互乗り入れによる直通運転の増加や、各駅の乗換え動線の改善など、東京の公共交通の利便性は着実に向上しており、大多数の人々が公共交通で通うことに抵抗感を持っていないということでしょう。

「鉄道工学ハンドブック」によれば、1時間あたりの輸送力は自家用車が7,200人なのに対して鉄道は20,000人です。しかもこれは、鉄道は定員乗車、自家用車は4人乗車という前提での比較であり、自家用車の乗車人員を1.2人/台、鉄道の混雑率を180%と仮定した場合、この数字は2,160人と36,000人となり、16.7倍の開きになります。自家用車だけで成立する都市の規模は人口50万人ぐらいが限界ではないでしょうか?東京+横浜の都市圏人口は3,790万人を支えているのは、まさに効率的な公共交通のネットワークであると言えます。

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