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2017.11.07

『東京探索006』代官山エリア①「代官山ヒルサイドテラス」

『東京探索006』代官山エリア①

今回は今や外国人旅行者にも知られるファッショナブルな街「代官山」を紹介します。東急東横線代官山駅は、渋谷駅から一つ目の、急行も停車しない小さな駅で、周辺には目立った商業集積もありませんでした。駅周辺も、明治時代までは大部分が雑木林でしたが、渋谷や恵比寿にも近いことから、高台を中心に閑静で緑の多い住宅街にしだいに変化していきました。1927年には同潤会代官山アパートメントができましたが、これについては次回に紹介します。

このエリアが、広く耳目を集めるきっかけを作ったのが「代官山ヒルサイドテラス」です。明治はじめから渋谷一帯の大地主であった名家が、相続税支払いのために土地が相当減った中、残った旧山手通り沿いの土地を何とか活用しようと低層の店舗併用住宅を作ったのがはじまりで、槇文彦氏の設計で1969年に第1期が完成しました。

その後も、1998年完成の第7期まで段階的に、通りに面して小広場やお洒落なカフェなどが連なる空間を創りました。建物自身はそれほど主張もない端正な姿ですが、入り隅の小さな広場や建物の陰影が織り成すそこはかとない奥ゆかしさが、旧山手通りの瀟洒な街並みの基調を作っている感じがします。

ヒルサイドテラスを契機に、代官山駅から旧山手通り一帯、八幡通り、さらにはこれらを結ぶ細街路沿いに若者のファッションアイテムや小物を扱う小店舗、フランス料理やイタリア料理を主としたレストランやカフェなどの集積ができてきました。そしてそれらが、「お洒落な街:代官山」の地域ブランドイメージを形成しているのです。

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