ブログBlog

2017.09.08

『わが国の都市をめぐる今日的課題005』エコシティ・低炭素都市・ゼロカーボン都市

『わが国の都市をめぐる今日的課題005

エコシティ・低炭素都市・ゼロカーボン都市

持続可能な都市開発の展開例としては、このほか、エコシティ・低炭素都市・ゼロカーボン都市などが掲げられます。

エコシティの基本概念は、主として太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを都市のエネルギー源とし、それらをネットワーク化した蓄電設備を含めて地域のエネルギー需要と供給とを最適化することで化石エネルギーの使用量を低減する考え方で、多くの場合はコンパクトシティやTODの考え方も併用されます。低炭素都市・ゼロカーボン都市も同様な考え方で、数値目標をどのように設定するかを含めた呼称の違いと考えてよいでしょう。

化石エネルギーの使用量低減の具体策としては、各家庭、事業所、交通機関、建設現場、生産設備等それぞれが単独での使用量を「見える化」して低減する方策や、これらに目標やインセンティブを与えるガイドラインの策定があります。このほか、地域による複数の熱源を共有・ネットワーク化(分散型エネルギー)や、都市のマスタープランにより風の道を作ること、地域の微気候を「見える化」することなどの都市計画的アプローチがあります。

「低炭素都市」は2007年頃からわが国で叫ばれている低炭素社会の実現を図るまちづくりの概念で、コンパクトシティ、公共交通の利用、再生可能エネルギーの利用、緑によるCO2吸収等により総合的にCO2の量を削減しようというものです。

また、「ゼロカーボン都市」は、2008年1月にアブダビ(UAE)で開催された第1回「World Future Energy Summit」で発表されたCO2排出ゼロの都市「マスダール」で提唱された概念で、外郭に囲われた6k㎡の敷地内に5万人が居住し、ソーラーシステムを中心に再生可能エネルギーで全電力を賄い、廃棄物や水もすべてリサイクルされる循環型の都市です。自動車は排除され、路面電車、オートポッドという自動式移動装置、自転車が交通手段となっています。

PAGE TOP