ブログBlog

2017.08.29

『わが国の都市をめぐる今日的課題002』持続可能な都市開発(Sustainable Development)

『わが国の都市をめぐる今日的課題002』
持続可能な都市開発(Sustainable Development)
1990年代以降、有限な化石燃料の節約と再生可能な新エネルギーの開発、都市部のヒートアイランド現象の防止など環境問題が世界的にもクローズアップされています。1992年の国連地球サミット「アジェンダ21」は、特にCO2をはじめとした温室効果ガスの排出が地球温暖化を招いており、世界的な海水面上昇やホッキョクグマなどの絶滅のリスクがあるとして、各国が協力して低炭素化(Low Carbon)やゼロカーボン(Zero Carbon)社会に向けた努力を要請しています。ここで提唱された「持続可能な都市開発」(Sustainable Development)とは、「環境」と「開発」を共存し得るものとしてとらえ、環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるというものです。
2016年11月には、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定(Paris Agreement)」が発効しましたが、トランプ政権下の米国は2017年6月、突然離脱を表明しました。これに対して、欧州や中国は、この分野で世界におけるリーダーシップを発揮しようとしています。7月には、英国政府やフランスの政府や自動車メーカーが、2040年までにガソリン車・ディーゼル車をゼロにする施策を相次いで表明しています。すでに世界のEV市場で3割のシェアを持つ中国も、環境問題に真剣に取り組む姿勢をみせています。
持続可能な都市開発は、環境配慮型の都市マスタープラン、低炭素建築に関するガイドライン、公共交通の利便性向上、これらに対する規制、インセンティブ、市民の啓蒙、さらに上記のような社会インフラの低炭素化など、条件が全て整ってはじめて実現できるものです。これらの中で、都市づくりに関する概念について、以下、紹介していきたいと思います。

PAGE TOP