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2019.02.19

『東京探索025』新宿エリア① オフィス市場としての新宿エリア

『東京探索025』新宿エリア①

オフィス市場としての新宿エリア

今回から、東京探索シリーズ、エリア別としては代官山、虎ノ門、日本橋に続く第4弾として、新宿エリアを探索したいと思います。

新宿は、巨大ターミナルである新宿駅及び新宿三丁目交差点を中心として古くから百貨店等が建ち並ぶ商業地であり、同時に「新宿新都心(新宿副都心の超高層ビル街)」を中心とした一大オフィス集積地です。しかし、東京のオフィス市場から見ると、新宿エリアは比較的にボラティリティ(変動性)が高い地域に位置づけられます。超高層ビル街の大規模なグレードAオフィスといえども70年代から90年代に建てられたものが多く、柱スパンも12m16m程度です。丸の内、大手町、日比谷、日本橋、虎ノ門、赤坂など都心エリアにここ15年ほどの間に建てられた最新式のオフィスは20m超のスパンの基準階フロアを持ち、サポート施設や文化施設も充実しています。新宿エリアにおいて現在稼動しているオフィスの競争力の程度は、これら超グレードAと言うべきオフィスと比べれば、やや後塵を拝していると言わざるを得ないでしょう。

同様にボラティリティが高いと言われてきた渋谷エリアは、「渋谷大改造」の真中です。2012年の渋谷ヒカリエ開業、2013年の東急東横線の東京メトロ副都心線乗入れを皮切りに、2018年秋には渋谷ストリームが開業(Google日本法人の本社が入居予定)し、2019年秋には渋谷フクラス、渋谷スクランブルスクエアが相次いで開業予定で、桜丘再開発なども控えています。渋谷の特性を考慮すると、これらの開発は、IT企業など都心エリアとは少し異なる顧客層を取り込むことで、独自の成長を遂げるのかもしれません。

このように、新宿エリアのオフィスビルはやや押され気味ですが、新宿三井ビル、新宿住友ビルをはじめ、既存の各ビルがリノベーションを進めているほか、JR新宿線路上の人工地盤に建てられた「バスタ 新宿」などが新たな風を吹き込んでいます。たとえば、LINE20174月に、渋谷ヒカリエからJR新宿ミライナタワーに本社を移転しました。新宿新都心に関しても、50年前にできた街の骨格は未だ健在で、周辺の街区の再開発も、西新宿駅から中野坂上駅方面に向かう青梅街道沿いの地域を中心に進展しています。

そんな新宿について、歴史を振り返りつつ探索しようと思いますので、しばらくお付き合いください。

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