『国際都市Tokyoの優位性④』
東京は世界の大都市の中で旅行者の「総合的満足度」第1位
東京は、ビジネス目的地だけではなく、観光目的地としても地位を高めています。
世界観光機関(UNWTO)の外国から入国した旅行者数統計において上位37 ヵ国の主要都市を対象として、「TripAdvisor」が行った旅行者アンケート調査(2014年)の結果、「総合的な満足度」において東京は第1位の栄誉を獲得しました。
評価された16項目のうち、東京が最高得点を獲得したのは、
「地元の人たちの親切さ」
「タクシーのサービスの総合的な評価」
「街中の清潔さ」
「公共交通機関の評価」
「都市に対する総合的な満足度」
の5項目です。
その他の項目でも、「タクシーの運転手の親切さ」、「一人旅のしやすさ」で2位、「レストランの評価」、「ナイトライフの満足度」で3位、「ショッピングの満足度」で5位、「街中での移動のしやすさ」、「ホテルの評価」、「家族連れに対するやさしさ」で8位を獲得し、16項目中13項目でトップ10にランクインしています。
逆に評価が低かったのは、「文化に対する評価」(11位)、「観光やアクティビティに対する評価」(13位)、「コストパフォーマンスのよさ」(20位)でした。
「街中での移動のしやすさ」に関しては、今でも外国人がスマートフォンアプリなどを利用して地下鉄を自由に乗りこなしている姿をよく見かけます。東京オリンピック・パラリンピック2020に向けて、Wi-Fi環境もさらに向上することが期待されます。
「文化に対する評価」が気になります。外国人旅行者は、歌舞伎など日本の伝統文化にしばしば触れているのですが、むしろ日本人がそのような伝統文化に触れる機会が減っているのではないでしょうか?われわれも、日本文化に関して外国人に説明を求められたら、きちんと説明できるようになりたいものです。
コストパフォーマンスの面では、ホテルの宿泊費が一人いくらで請求される点や、タクシー代が世界の各都市に比べて高いことが影響しているのでしょうか。民泊やウーバーなどの新しい制度に関して、既成の社会の枠組みや概念から抵抗する向きもありますが、日本社会や日本人がさらにグローバル化することで、問題は自然に解決していくのかもしれません。
4回にわたって、国際都市Tokyoの優位性についてお話ししてきましたが、日本人自身が日本の文化を深く知るとともに大切にしていくこと、日増しに増えていく外国人を特別視しないで日本人と同じように扱うことなどによって、「国際都市Tokyo」の優位性はさらに高まるのではないかと思います。