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2018.02.28

『国際都市Tokyoの優位性②』東京は「都市総合力ランキング2017」で世界第3位

『国際都市Tokyoの優位性②』

東京は「都市総合力ランキング2017」で世界第3

森記念財団の都市戦略研究所は、2008年から「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City IndexGPCI)を発行しています。

GPCIとは、包括的な都市総合力のランキングで、世界をリードする44の都市を選び、それらのグローバルな総合力を、都市部の強みを表す6つの主要な視点(経済、研究開発、文化交流、居住性、環境、アクセシビリティ)に基づき、都市的活動をリードする5つのグローバルな「アクター」(マネージャー、研究者、アーティスト、ビジター、居住者)の参加により評価したものであり、各都市の長所と短所を明らかにすると同時に、克服すべき問題も明らかにしてくれます。このランキングは、都市部の研究の世界的権威であるピーター・ホール卿をはじめ、この分野の他の学者たちの関与によって行われ、公共および民間部門の国際的な専門家による第三者評価を経たものです。

201710月に公開されたGPCI -2017の分野別総合ランキングにおいて、東京は、ロンドン、ニューヨークに次いで第3位の栄誉を得ました。2008年から2015年までは4位でしたが、2016年に続いて2017年も3位となったものです。東京は、「経済」の分野では円安の影響もあり1位から4位に転落したものの、「研究・開発」で3位、「文化・交流」で4位、「交通・アクセス」で6位(昨年は11位)など、バランスよく高いスコアを得ています。

特に、「文化・交流」の分野では、美術館・博物館数などの「集客施設」や、海外からの訪問者数などの「外国人受入実績」において着実にスコアを向上させ、昨年の5位から4位に順位を上げました。「居住」の分野では14位、「環境」の分野では12位とやや奮いませんでしたが、「交通・アクセス」では、昨年までの指標の一つであった「国際線旅客数」が「国内・国際線旅客数」に変更されたことでスコアが昨年の11位から6位へと躍進しましたが、直行便就航都市数などの「国際交通ネットワーク」や通勤・通学の「交通利便性」においても上昇がみられています。

もう一つ、分野別ランキングに用いた70の指標の中から、各「アクター」が都市に求める重要な要素に対応する指標を抽出してアクター毎のスコアを算出したものを「アクター別ランキング」として示しています。この結果、東京は、「経営者」:5位、「研究者」:3位、「アーティスト」:6位、「観光客」:4位、「生活者」:6位となっています。「観光客」からの視点で東京は5位から4位へ順位を上げましたが、これは、「食事(選択肢や値段等)」、「買物(環境や値段、魅力等)」で高い評価を得ているほか、「文化的魅力や接触機会」でスコアを伸ばしたためのようです。

「文化・交流」の分野では、歌舞伎や、世界遺産となった「和食」やなどの伝統文化をしっかりと守っていく日本人の姿勢が高い評価につながっているのだと思います。最近、日本人の若い世代がやや遠のきがちであった日本文化の価値が、外国人の高い関心にも支えられて再認識されつつあることは、日本人にとっても歓迎すべき現象です。

「交通・アクセス」の面では、電車・バスによる通勤・通学が定着している東京で、公共交通の利便性はますます向上していく一方です。道路網についても、首都高速道路中央環状線が「山手トンネル」を含めては全線開通し、圏央道も近く全線開通するなど、大幅に改善されています。

さらに、東京オリンピック・パラリンピック2020に向けて、駅や電車でのフリーWi-Fiの拡大、英語アナウンスのわかりやすさの改善、外国人にも購入しやすい公共交通機関パスの導入などによって、「交通・アクセス」の分野のスコアはさらに伸びるでしょう。

実際、GPCI‐2009とGPCI‐2017との比較で、海外からの訪問者数は533万人から1,310万人へ増加(約2.46倍)、国際線直行便就航都市数は76都市から102都市へ増加(約1.34倍)しています。東京を訪問する外国人が年間2,000万人を超えるのも遠くないかもしれません。

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