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2017.09.27

『アジア探索001~上海編①』3棟の超高層ビルが発展を牽引

『アジア探索001〜上海編①』

巨大市場経済・モバイル社会を牽引する国際都市

3棟の超高層ビルが発展を牽引

上海の陸家嘴(Lujiazui )――外国人には聞き慣れない地名ですが、その景観はおそらく世界中の人々が知っています。旧市街地の川の対岸に、摩天楼が立ち並ぶあの景色です。

上海市の市街地には、南西から北東に向かって、「黄浦江(Huang-Pu-Jiang)」が流れており、この母なる川から西が浦西、東が浦東と呼ばれています。浦西の主要部はかつて19世紀にフランス、イギリスなどの居留地(租界)になっていた風情ある市街地です。浦東はもともと名もない農村でしたが、1992年に浦東新区が設置され、そのうち旧市街地に近い外灘(Bund)の対岸にあたる一帯が「陸家嘴金融貿易区」と名づけられ、特区として金融業を中心としたオフィスが誘致されました。1994年に東方明珠テレビ塔が完成したほか、上海証券交易所、上海不動産センター、中国人民銀行上海分行、香港上海銀行などが次々に建設されました。

1998年には88階建て、高さ420mの「金茂ビル」が完成、しばらく一棟のランドマークとなっていましたが、2008年に森ビルが101階建て、492mの「上海環球金融中心」を建設して、2本の超高層ビルが上海を代表する時期がしばらく続きました。しかし、「風水」の上では2本による空間支配は不安定であると言う声もあったのです。2016年、待望の3本目である「上海中心」が127階建て、632mの威容を現して現在に至っています。

この「上海中心(Shanghai Tower)」は、二重のガラス・カーテンウォールがビルの外側を螺旋状にねじれながら覆うような強烈なデザインを持っています。内側と外側のガラス・カーテンウォールの間には、地表から上層階まで異なる高さの9つの吹抜け空間があり、上海市民に開放されています。その姿は、まるで竜が螺旋を描きながら天に昇っていくようなダイナミックなもので、まさに昇り龍と呼ばれている上海経済を象徴しています。

3本の塔によってさらに安定したと言われる上海が、堅固な政治体制の下での巨大市場経済をどのように先導していくのか、注目されます。

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